塵一粒

同人誌やイラストの感想とか雑記とか。同人感想は作者さん向け。

【感想】る~がる~? あんえこ~!【K.T.from Leaf】

『る~がる~? あんえこ~!』

2019年秋(第六回秋季例大祭)発行。

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 秋乃楓さん(秋乃 楓【秋例大:し11a/紅楼夢:し01a】 (@otiba_kaede) | Twitter)の響子ちゃん×影狼本です。表紙はもちろんこの二人。響子ちゃんの背中に手を添える影狼すき。そして内容は響影強化月間の真打でしたね…(冬コミは佐奈ちゃん本らしいので)。 

 

 表紙とタイトルフォントのポップな印象に「今回は明るいほんわか系かな」と思って挑んだら、読了後あまりの尊さに悲鳴が出ました。ド百合本だった。

 『尊い』というのは、指紋をつけることさえ躊躇ってしまう感情、何物にも侵させず人知れず守らなければならないという使命感であることを改めて感じました。

 

 初っ端からいちゃいちゃ響影を見せつけられる…のですが、響子ちゃんのあまりの愛くるしさに影狼さん暴走。抱き寄せた響子ちゃんの耳を食み、服を脱がせにかかる様は、尻尾や背筋をピンとさせて感じる響子ちゃんの姿も相まって…………非常にえっちですね。呆然とした響子ちゃんを見て影狼は我に返りますが、響子ちゃんの耳から滴る唾液が耳しゃぶの執拗さを物語っていますね。耳が敏感なら、そりゃ涙目にもなる。「ちょっとびっくりしただけ…」の響子ちゃんの逸らした視線たまんないですね…。気まずい空気のまま響子ちゃんはお風呂に。一人になって反省タイムの影狼すき。

 子供らしくはしゃぐ響子ちゃんに対し、落ち着いたお姉さんという印象のあるこちらのサークルの影狼。そんな彼女がわたわたと焦る姿は新鮮でギャップがあり、とても可愛いです。一応、発情期は発情期でちゃんとあるんですね…。耳がへたってなってる影狼さん可愛い。

 

 お湯に浸かりながら、先ほどのことを考える響子ちゃん。むしろ嬉しかったから、相手もそうされたら嬉しいのかなと考える様子があまりにも健気すぎる。耳に触れるシーンや小ぶりなお尻が可愛いですね。そして

 (耳は身長が足りないかも…) ←これがぁあああああああやばぃいいいいいいいいぐわああああああ!!! 体格差厨のツボを押さえてきやがる!! グギュグバァ!!!

 頭を撫でてくれたとか大きい身体(胸)で包み込んでくれたとか、おにロリ・おねロリのそういう体格差の映えるシチュが好物なんですが、そこから更に発展させた、身体の小さい方が同じことをしてあげようとする展開が大ッ好きなんですよ。それでお兄さん・お姉さんが座り込んで打ちひしがれている時にその頭を優しく抱きしめたり撫でてあげたりするのがンもう……閑話休題

 

 しっかり謝罪しようと思ったら、お風呂から上がった響子ちゃんに迫られる影狼。めちゃくちゃ動揺してるの可愛いしニヤニヤが止まらないですね。そしてここから怒涛の響子ちゃんのターン。目が据わっています。心に住まう外人4コマの皆様が超盛り上がってる。しかし影狼を押し倒した彼女が見せたのは涙で。ここのぽろぽろ落ちる涙と、震える唇の表現が良いですね…。泣き顔良い…すごく良いですね、変な意味じゃなく。

 相手に喜んでほしかったのに困惑されて、どうすればいいかわからなくなってしまった響子ちゃんの涙ながらの吐露が胸を打ちます。そしてここからの流れは、もうなんと書けばいいかわからないくらい尊い(記述放棄)。影狼の胸に抱かれて嬉しそうな響子ちゃんでもう胸いっぱいになる。最後の二人ももう訳わからんくらい好きです。これからの二人の関係もこっそり見守りたいですね…。

 


 敢えて触れずにいましたが、春例大祭で頒布された『君とひとつとなり』も、響子ちゃんとの関係で葛藤する影狼の話でした。傍にいられないけれど一緒にいたい、だから一線を越えずに過ごしていく。そんな二人の話。
 今回は『君とひとつとなり』で扱った、重くなりそうな要素を意図的に省いているように見えます。響子ちゃんのサービスカットはあるし、一人になった影狼が思いつめたりせずに「可愛かったな…」とか言ってハッとする様子はふふっと笑いを誘います。『君とひとつとなり』が妖怪の存在をテーマにシリアス全振りしてる一方、『る~がる~? あんえこ~!』は等身大の少女たちの可愛さ尊さ溢れる百合物語という感じ。細かい描写にも気を配っているのが伝わります。

 雰囲気は違いますが、どちらも間違いなく響子ちゃんと影狼の物語ですね。

 

 堪え切れない愛しさと、好きだからこそ大事にしたい気持ちの狭間で苦悩する影狼。そしてそれに応えたい健気な響子ちゃん。尊さに身悶えする作品をありがとうございました。