塵一粒

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【感想】夏の祭りに【やけくそ一辺倒】

『夏の祭りに』

第七回東方想七日(2019年夏)発行。

タカぴー@想七日お疲れ様でした (@takapi_3) | Twitter

 

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 タカぴーさんのルーミアちゃん本です。表紙は打ち上げ花火を背景に微笑むルーミアちゃん。

 (一旦は)終わりを迎えた東方想七日という祭を楽しんだ人程、いろんな意味で刺さる内容になっています。私も会場で読んだ時、ルーミアちゃんの言葉に、不意に鼻の奥がツンとするような感覚を覚えました。

 

 

  最初の漫画の最初のコマからタカぴーさんのルーミアちゃんの可愛さ爆裂ですね。キラキラお目目や猫口っぽいの可愛い。表情や仕草が非常に多彩なのが良き良きです。なんでしょう…あざとさを感じさせず、しかし的確にツボを押さえてくる感じ…。

 人混みの中、ルーミアちゃんの背の小ささがわかります。タカぴーさんのルーミアちゃんは特別幼い印象はないため(ツッコミ役をこなすのもあって?)、こういうところでふっと身長とかわかるとグッときますね。

 

 食べた人類から金銭を拝借する、浴衣を着た可愛い女の子。合理的というか倫理がないというか、このギャップが良いですね…妖怪妖怪してる。

 (修羅と化した)ミスティアの指の先を振り向く時の怪訝そうな表情も好きです。これは完全に配置ミス。無言で指さすのがぶち切れてる感じあって大好き。

 花火を見上げる時の、夜風にでも吹かれたのかふわっとなびく髪も良いですね良いですね。ぱたぱた走る時の袖も可愛い。そして…おっさん! おっさん久しぶり! こういうファンサービス嬉しい。

 そしてちょこちょこ出てくるデフォルメ顔の、睫毛がぴょんと出てる目好き。女の子っぽさが出てて可愛いです。δνδ ←こういう顔…ちょっと違うけど…これすき。

 

 そして後半。祭も終わりに近づく中、ルーミアちゃんは「もしかしたらこの祭りは今回が最後かもしれない」と悲しむ人間を見つけます。……結構心当たりがあるどころか、私もその一人なのですが。最初に読んだ時、ドキッとしちゃいました。

 そんな人間を諭すルーミアちゃん。花火が終わってしんみりしそうになったらおどかすような冗談を言ってくるの、お姉ちゃんみがすごい。

 そうなんですよね。いつか来る終わりを気にして今を楽しめなかったら意味がない。終わった後に後悔しないためにも、全力で今を楽しむのが吉なんですよね。

 想七日、次回開催の発表はいつも最後にされるんですが、今回はアフター前に主催さんが「最後に特別な発表がある」みたいなことを言っていたので「あっ……(察し)」ってなったんですよね。元々、第八回開催はキツそうだと思っていたので。でもルーミアちゃんの言葉で、アフターを楽しむことができました(まぁ、改めて「終わる」と言われたらそれはそれで凹んだんですけど)。

 そしてこの一連のシーン、打ち上げ花火の音が全くせず、光と影だけで花火が弾けたことを表しています。暗くて静かで、落ち着きます。ルーミアちゃんの言葉もすっと入ってくる。この演出凄く好きです。

 

 エモいとか尊いとかそういう言葉とは違う、等身大の優しさを感じました。

 素敵なルーミアちゃんをありがとうございました。

 

 最後のお祭り、とても楽しかったです。