塵一粒

同人誌やイラストの感想とか雑記とか。同人感想は作者さん向け。

【感想】キミと、キミの好きな人へ【虚無ちゃんねる】

 存在ふわふわ系Vtuber虚無さん(https://twitter.com/kyomu_lwl)の歌ってみた動画、公開記念ボイス(限定版)を拝見・拝聴しましたーという記事です。限定ボイスへの言及はないので、悪しからずと言うべきかご安心をと言うべきか。

 せっかくなのでMVをどうぞどうぞ。

 

ハナミズキ / 一青窈 Covered by 虚無【 オリジナルMV 】 - YouTube

 

kyomu-lwl.booth.pm

 

 虚無さん。主に平日の朝と夜に配信しているVtuberさんで、麻雀・FPS・乙女ゲー・お絵かき・ASMRなど非常に幅広く活動をされてます。私はAmong Usが好きなので、木曜日の定期コラボ配信をいつも楽しみにしています。

 その中でも、個人的に「虚無さんと言えば」な配信が、平日朝のおはよう配信です。コメントをしたリスナー一人一人の名前を呼び、天気を確認したり朝ご飯を聞いたりしながら軽く雑談をし、リスナーを送り出します。平日は毎朝、よく続くなぁと本当に感心します。

 

 さて、では敢えてシチュエーションボイスの感想から。

 

【キミと、キミの好きな人へ】

【知らないキモチ】

 別れと祈りの物語。順番としては【キミと、キミの好きな人へ】→【知らないキモチ】なのでしょうが、【知らないキモチ】で「キミ」との出会い・交友・別れを丁寧に描写しているので、その後もう一度【キミと、キミの好きな人へ】を聞きたくなりますね。

 「知らないキモチ」の通り、「キミ」との別れで虚無ちゃんは寂しいという気持ちを知りました。しばらく後……どのくらい後かはわからないけど、「キミ」と再開した虚無ちゃんは内心を押し隠して笑顔で接します。転機を迎えようとする「キミ」の成功を祈り、その場を後にするのが野次馬もとい第三者としてはなんとももどかしくなってしまいますが、きっとこれが正解なんでしょうねぇ。

 心に秘められたままになってしまった虚無ちゃんの本心。もう二度と「キミ」に会うことはなと思うと、胸が締め付けられるような気持ちになってしまいますね。でも最後に「魔が差して」しまうのは虚無ちゃん自身が吹っ切るために大事なことだったと思うし、気持ちを伝えないのは自分よりを「キミ」のことを大事に思っているからこそでしょう。

 

 虚無さんのシチュボはホラゲや夏祭り、先輩後輩を聞いただけなのですが、どれとも違う「別れ」をテーマにした切ないストーリーでした。そしてこれは楽曲「ハナミズキ」を聞いていると、また違った納得感が得られます。上にMVのリンクがあるよ!

 

 

ハナミズキ

 一青窈さんの『ハナミズキ』。なんだかんだ耳にする機会はあれど、その不思議な歌詞を調べたことはなかったなぁと思い、ボイスを聞いた後にいろいろと解説を漁りました。その背景から、曲に込められたメッセージとして大まかに「大切な人との別れ」「譲り合い、思いやり」「大切な人達の幸せを願う」が解釈できました。そのまんまですけど。

 

 ハナミズキと言えばこの歌詞。

<君と君の好きな人が百年続きますように>

 虚無さんにとってその気持ちを向ける相手は、関わりのある活動者さんであり、ファンやリスナーであり、他の近しい関係の方々であり。その一人一人の幸せを願うという気持ちが伝わってきます。

 私が虚無さんの配信をを本格的に見始めたのは、240人凸待ち耐久から。なんとなく距離感を測ってしまい時々挨拶コメントをするに留めていたのですが、その程度で名前を覚えてもらえていたのがびっくりしました。今ではよく顔を出していろいろコメントを残すようになりましたが、配信中でもリスナーの誕生日であれば「○○の時から一緒にいてくれてるね」と祝う姿に舌を巻いています。一人一人が特別な存在で、その幸せを願うというのは、決して大言壮語ではないということを感じます。

 

 大切な「キミ」が、人生に悩んだり疲れたりすることがなくなり、充実した日々を送るようになるかもしれない。その隣にいるのは自分ではない他の誰かかもしれない。それでも「キミ」の幸せを願うという切なくもささやかな思いやり。

 でも、だからこそ……というのも、虚無さんの大事な気持ちだと思います。

 

 2004年リリースの「ハナミズキ」。200曲耐久の時も終盤に歌ってらっしゃいましたが、直前まで激しめの曲が多かったのにしっとりした曲を選んだこと、なんだかほんのりと「虚無さんに合う歌詞だな」と思ったことで妙に印象的でした。

 日本人の心に残る名曲として、虚無さんの願いを伝える曲として、ベストな選曲でしょう。